てんかん研究
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症例報告
重度精神遅滞と難治てんかんを呈したMECP2重複症候群の2男児例
齋藤 貴志本田 尚三中川 栄二花井 彩江小牧 宏文須貝 研司佐々木 征行赤坂 紀幸遠山 潤稲澤 譲治後藤 雄一
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2010 年 28 巻 1 号 p. 24-31

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抄録

MECP2 は女性に発症するRett症候群の原因遺伝子として知られてきたが、その重複により、男性の精神遅滞、てんかんなどの神経学的異常の原因となることが明らかになりMECP2 重複症候群と呼ばれるようになってきた。我々は、精神運動遅滞に難治てんかんと反復性感染を合併したMECP2 を含むXq28重複例2例を経験した。症例1は16歳男性、4歳時から難治てんかんを発症し、13歳時に脳梁離断術を施行されたが改善は一時的で、以後も難治に経過している。症例2は13歳男性で、2歳時より難治てんかんを発症し、気道感染の反復もみられた。両症例ともX染色体全領域のアレイcomparative genomic hybridizationの結果、MECP2 を含むXq28の重複がみられた。MECP2 の重複患者は、X連鎖性精神遅滞の1%を占めるといわれている。難治てんかん、精神運動遅滞、反復性気道感染を合併する患者をみた場合には、本症を念頭に置く必要がある。

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© 2010 日本てんかん学会
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