抄録
我々は、8歳で発作性運動誘発性ジスキネジアを発症した26歳女性の長時間ビデオ脳波モニタリングを行った。その際、左右それぞれのジストニアが記録されたが、右側上肢のジストニアの場合にのみ、それに引き続く複雑部分発作を認めた。左側上肢のジストニアの場合には、それに引き続く複雑部分発作は認めなかった。頭部MRIでは左扁桃体腫大を認めており、右ジストニアを引き起こす左基底核発射がもともと腫大している左扁桃体にキンドリング現象を起こし、てんかんを発病させた可能性が考えられた。また、両発作に対しCBZが著効した。