てんかん研究
Online ISSN : 1347-5509
Print ISSN : 0912-0890
ISSN-L : 0912-0890
症例報告
良性成人型家族性ミオクローヌスてんかんに伴う振戦様ミオクローヌスにプリミドンの追加投与が有効であった一症例
茂木 太一吉川 大輝曽根 大地村田 佳子渡邉 雅子渡邉 裕貴
著者情報
ジャーナル 認証あり

2014 年 32 巻 1 号 p. 31-38

詳細
抄録

良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(benign adult familial myoclonic epilepsy:BAFME)における難治性の振戦様ミオクローヌスにプリミドンの追加投与が有効であった症例を報告する。症例は39歳女性。てんかん及び振戦様ミオクローヌスの濃厚な家族歴が存在した。17歳時、手のふるえが出現。24歳時、全身けいれんが初発。29歳時、てんかんと診断されバルプロ酸およびクロナゼパムが開始されたが手のふるえは改善せず、年単位での全身のけいれんが持続した。36歳時、レベチラセタム追加以降、全身のけいれんは消失した。しかし、手のふるえは悪化し下肢や体幹にもふるえが出現し39歳時に当院紹介。各種検査にてBAFMEと確定診断したうえでAmerican Academy of Neurologyによる本態性振戦の治療ガイドラインを参考にプリミドンを追加したところ振戦様ミオクローヌスは抑制された。このことから本態性振戦に有効性が示されているプリミドンはBAFMEにおける振戦様ミオクローヌスにも効果が期待できる可能性が考えられた。

著者関連情報
© 2014 日本てんかん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top