2022 年 40 巻 1 号 p. 18-27
てんかん医療における専門看護師の存在意義と役割について考察することを目的に、2施設の院内認定てんかん看護師30名とそれ以外の16てんかん診療拠点病院の看護師21名にインタビュー・アンケート調査を行った。前者ではてんかん医療経験年数が長く、症状の観察・対応にとどまらず心理社会面への支援や啓発・教育・研究、多職種との連携など幅広い活動が行われていた。後者では、発作の対応や脳波モニタリングでの懸念が多く、てんかん看護教育の必要性とともに認定看護師導入への肯定意見も多かった。海外、特に欧州ではてんかん専門看護師が公的に導入されているところがあり、患者の自己管理能力の醸成への重要な役割が期待され、その効果が実証されている。てんかん専門看護師はてんかん医療の充実および患者・家族の生活の質の向上に貢献が期待され、その養成の意義を組織全体で共有し、公的に支援することが重要と考えられる。