てんかん研究
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1歳未満発症の大発作の長期予後
良性乳児けいれんを中心として
杉浦 ミドリ松本 昭子渡辺 一功根来 民子高江洲 悦子岩瀬 勝彦
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1983 年 1 巻 2 号 p. 116-121

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抄録
1歳未満発症の大発作103例を6歳以降まで追跡し, 発作, 知能, 身体の長期予後を検討した。3年以上発作消失率は63%であった。知能・身体的予後良好群は、55%であり, このうち3歳未満に発作が消失したきわめて予後良好なものが38例で全体の37%を占め, これは良性乳児けいれんとよびうると考えられた。知能・身体的予後良好群の特徴として, 1) 発症原因不明, 2) 発症前発達遅滞がない, 3) 神経学的異常がない, 4) 発作型の変化がない, 5) 脳波正常または正常化があげられた。特に1), 2), 3) は発症早期に予後を推測する鑑別点となると考えられた。しかし知能・身体的予後良好群中, 早期 (3歳未満) に発作が消失した群を鑑別する点は見い出せなかった。
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© 日本てんかん学会
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