てんかん研究
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てんかん小児におけるHLA抗原
橋本 清釜萢 敏藤野 修植田 穰本多 忠典村田 愿十字 猛夫
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1983 年 1 巻 2 号 p. 122-127

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抄録
てんかん患者257例と, てんかんおよび熱性痙攣の既往のない対照群110例についてHLA抗原の検索を行った。検索した抗原のうち, 対照群に比し, てんかん患者群で高頻度にみられたのはBw 60のみで, 対照群が11.8%なのに対し, てんかん患者群では35.4%で, X2検定により有意な相関を示した。てんかんの発作型別の中で, Bw 60か高頻度にみられたのは, 部分てんかんの2次性全汎化38.8%, 欠神発作40.7%, 点頭てんかん54.4%で, 相対危険率は, それぞれ4.72, 5.12, 8.95であった。HLAとてんかんとの相関は連鎖不平衡によるものと考えられるが, 今後はHLAのfamily studyを行えば, てんかんの遺伝素因の解明に役立つものと思われる。
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© 日本てんかん学会
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