てんかん研究
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Carbamazepine 1回経口投与後のラット脳内および血中におけるCarbamazepine-10, 11-epoxide濃度の経時的変化
in vivo microdialysis法による検討
高橋 留利子
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1994 年 12 巻 2 号 p. 118-124

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抄録
Carbamazepine (CBZ) 服用中, 時に眠気, 複視などの中枢神経系の副作用が発現する例がみられるが, この副作用の発現には, CBZのみならず, carbamazepine-10, 11-epoxide (CBZE) も関与しているといわれている。そこで, CBZEの中枢神経系の副作用への関与を調べるため, CBZ 1回経口投与後のラット線条体および血中におけるCBZとCBZE濃度の経時的変化を, in vivo microdialysis法を用い, 無麻酔下, フリームービングで測定した。その結果, CBZE濃度の経時的変化は, 血中と線条体でほぼ同様な動きを呈した。また, 線条体においてCBZEの半減期は, CBZの半減期に比べて有意に長かった。したがって, 血中のCBZE濃度は脳内のCBZE濃度を反映することが確認されたため, CBZ服用患者において, 中枢神経系の副作用の予防や軽減のため血中CBZE濃度を測定する意義があることが確かめられた。
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