てんかん研究
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扁桃核海馬複合体体積測定法の再現性について
星田 徹榊 寿右森本 哲也橋本 浩黒川 紳一郎中瀬 裕之平林 秀裕川口 正一郎角田 茂Sumio Uematsu
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1995 年 13 巻 2 号 p. 105-112

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抄録

てんかん焦点の側方性同定のために, MR画像からsoftwareを用いたcomputer-assisted measurement (CAM) による扁桃核や海馬の体積測定が行われ, その再現性と信頼性について報告されている。われわれは29名の部分てんかん患者を対象とし, CAM法と1mm方眼紙上に直接トレースしたdirect volume assessment (DVA) とイメージアナライザーを用いて測定したimage analyzing assessment (IAA) の3つの方法による再現性について比較検討した。1.5mmスライスのCAM法による複数回測定の変動係数は4.8%であった。一方, 1.5mmスライスでのDVA法と3mmスライスでのIAA法では3.1%と3.6%であった。同一患者では, 撮像時期が異なっていても, 体積の左右比を求めるとよく相関しており, DVA法でr=0.843, IAA法ではr=0.877であった。これらの結果から, CAM法より簡便であるイメージアナライザーを用いた扁桃核海馬の体積測定は, CAM法と同様の再現性であり, その左右比で検討することは臨床的に有用である。

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