てんかん研究
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中心・中側頭部に棘波を有する小児てんかんにたいするクロナゼパムの効果
とくにRolandic dischargeの経過
満留 昭久大府 正治安元 佐和小川 厚大蔵 美佐子
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1995 年 13 巻 3 号 p. 211-219

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抄録
未治療の中心・中側頭部に棘波を有する小児てんかん (BCECT) 20例に対しクロナゼパム (CZP) を投与しRolandic discharge (RD) の消失と臨床発作の消失について経時的に検討した。CZP服用1週間目の脳波で13例中6例はRDは消失した。1カ月目の脳波では20例中15例 (75%) でRDは消失した。
1カ月目にRDが消失した15例のうち脱落した3例を除く12例にCZPをひきつづいて投与し, RDと臨床発作の経過を検討した。10例は3カ月から2年6カ月の間にRDが再出現し, このうち7例で臨床発作も再発した。
CZPに対し早期に反応し, 消失することはRDの特徴のひとつと考えられた。RD早期消失例と非消失例の間には臨床像の差はみられなかった。CZPの服用を続けるとRDおよび臨床発作に再発がみられ, BCECTの治療薬としては本剤は第一選択剤にはなり得ず, 今後服用方法の検討が必要と思われた。
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