てんかん研究
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スタチンB遺伝子の変異が確認されたUnverricht-Lundborg病の2症例
和知 学笹川 睦男長谷川 精一金澤 治遠藤 耕太郎内藤 明彦大沼 悌一長嶺 憲太郎工藤 純清水 信義
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1998 年 16 巻 2 号 p. 100-108

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抄録
臨床的にUnverricht-Lundborg病 (U-L病) が疑われた2症例において、21番染色体長腕上に存在するシスタチンB遺伝子のプロモーター領域の塩基の繰り返し (repeat) の伸長 (expansion) が確認された。この2症例において、発病年齢、刺激過敏性ミオクローヌスの存在、痴呆と神経症状の緩やかな進行、特徴的な脳波像 (3-5Hz全般性棘徐波、光過敏性) 、巨大な体性感覚誘発電位 (giant SEP) の存在など、欧米におけるU-L病と臨床診断されている症例の臨床的特徴と共通の所見であった。遺伝子診断の確立により、今後本邦におけるU-L病の症例が集積され、その症候学および遺伝子変異がさらに明らかになることが期待される。
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© 日本てんかん学会
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