てんかん研究
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アニメ“ポケモン”による光過敏反応多発に関する視聴環境調査
高橋 幸利渡辺 みづほ小沢 武司寺沢 総介元吉 史昭中村 仁山田 信二岡本 博之山岸 篤至中島 芳博清水 靖子近石 登喜雄矢嶋 茂裕近藤 直実
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1999 年 17 巻 1 号 p. 20-26

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抄録

アニメ “ポケモン” の視聴環境が光感受性発作誘発に及ぼした影響を検討するために、誘発群と光過敏非誘発群の視聴環境を比較検討した。電波発信源からほぼ同じ距離であっても地域共同アンテナでは誘発され、個別アンテナでは誘発されていない地区があり、受信システムの違いが発作誘発に影響していた。画像鮮明度は誘発群では全例鮮明、光過敏非誘発群では不鮮明であったものが半数と多く、鮮明な画像である事が誘発にとって重要であった。CRTの画面サイズ・使用年数・空間周波数には両群で有意差は認めなかった。画面サイズ/距離が30インチ/メートル以上では全例誘発され、誘発群では熱中度が大であったことより、視野に占めるCRT画像の割合が誘発効果に影響したものと思われた。電波受信システム・CRT画像鮮明度・視野に占めるCRT画像割合などの視聴環境が複雑に光感受性発作誘発効果に影響していたことが推定された。

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