てんかん研究
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進行性ミオクローヌスてんかんとその近縁疾患
病態と診断: 遺伝子診断ならびに神経生理学的の最近の進歩を中心として
大沼 悌一
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1999 年 17 巻 3 号 p. 153-172

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抄録

ミオクローヌスてんかん (PME) は顔面、四肢にミオクロニーを示し、かつてんかん発作 (ミオクロニー発作、GTC) や小脳性失調症などを合併する進行性の神経疾患である。ミオクロニーは不規則で、非律動的で急速に起こる瞬間的・電撃的筋収縮で動作開始や肢位保持時などで悪化する。多くは光過敏である。分子遺伝学の進歩はPMEの診断、病因、分類に著しい進歩をもたらした。Lafora病、Neuronal Ceroid Lipofuscinosis (CLN) 、Sialidosis、Mitochondria病、Unverricht-Lundborg病 (UL病) および、特に日本に多いDRPLAとPME関連疾患であるBenign Adult Familial Myoclonus Epilepsy (BAFME) について特に分子遺伝学的、電気生理学的所見を中心に述べた。最近BAFMEの病的遺伝子の座は染色体8q23.3-24.1にあることがわかった。DRPLAは他のPMEとは異なり、誘発電位 (SEP、ABP) の振幅低下があり、ミオクローヌスは皮質下起源が疑われた。

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