抄録
小児てんかんの実態を解明するために, 岡山県において10歳未満の全小児289, 650名を対象に詳細に神経疫学的研究を行った。調査は県内外の56医療機関の診療録をもととし, 調査日は昭和50年 (1975年) 12月31日とした。
結果: 1) てんかん2, 378症例を確認し, 有病率は8.2/1,000であった。2) 昭和50年 (1975年) についての年間発症率は対象人口100,000について145.0であった。3) 発症年齢は, 3歳未満が1, 795例 (77.7%) を占めていた。4) 発作型別頻度では全汎てんかんが744例 (40.9%), (うち原発577例, 31.7%, 続発167例, 9.2%), 部分てんかんが1,042例 (57.2%), (単純部分発作205例11.3%, 複雑部分発作61例3.3%, 二次性全汎化発作776例42.6%) であった。