てんかん研究
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未治療てんかん患者に対するSodium Valproate単剤治療のProspective Study
血清内濃度と臨床効果
増渕 洋
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1985 年 3 巻 1 号 p. 1-10

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抄録
Sodium ValproaEe (VPA) の初期有効濃度を再検討するために, 39名の未治療てんかん患者に対してVPAの単剤治療を行い, 平均2.8年間追跡した。投与量は, 成人は200mg/日, 小児は100mg/日より開始し, 発作が抑制されるまで漸増した。その結果, 全発作の75%に有効性が認められ, 初期有効濃度は平均37μg/mlであった。特に機能性てんかんといわれる, 欠神発作, 強直間代発作, BECCT (Rolandic discharge) では, 有効率は93%と高く, 初期有効濃度は24μg/mlと低値であった。さらに血清内濃度は, 体重当りの投与量, 年齢 (20歳以下の場合), 体重などと正の相関関係を示した。またこの濃度の日内変動の大きさは, 1日2回投与でも3回投与とほとんど差はなかった
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