抄録
開頭術後症例17例, 非手術症例6例の計23例の成人脳神経外科的疾患を対象に, フェノバルビタールナトリウム坐剤を連続投与し, 血中濃度の推移を検討した。フェノバルビタールに換算4.04mg/kg/day以上の投与では, 48時間以内にその血中濃度は10μg/mlに達し, 72時間以内に10~25μg/mlの範囲に入る。72時間以後の有効血中濃度の維持は, フェノバルビタール1.53~2.53mg/kg/dayの経口または坐剤投与でなされた。これは, 4.50~6.0629/kg/dayの筋注によるフェノバルビタール, 72時間の投与と2.26~3.03mg/kg/dayの経口投与による維持に匹敵した。