てんかん研究
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小児の複雑部分発作の予後に関する検討
難治化因子の抽出
根来 民子渡辺 一功野村 一史山本 直樹高橋 泉古根 淳麻生 幸三郎
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1988 年 6 巻 1 号 p. 98-102

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抄録
小児の複雑部分発作の難治化因子を抽出するために, 種々の臨床脳波学的特徴を, 38例の発作消失例と49例の発作存続例で比較検討した結果, 難治化因子は, (1) 発症年齢が2歳以下, (2) 基礎疾患あり, (3) 精神発達遅滞あり, (4) 背景脳波異常あり, (5) 発作波焦点が前側頭部焦点の5因子であった。難治化因子が0個の場合には発作存続率は19.0%であったのに対し, 難治化因子が3個以上の場合には, 82.4%~91.9%で発作が存続していた。
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© 日本てんかん学会
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