教育・社会心理学研究
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女子短大生の生活環境と生活態度に関する社会心理学的研究
篠原 しのぶ梁井 迪子
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1963 年 4 巻 2 号 p. 193-203

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抄録

4年制大学学生の生活環境並びに意識と比較検討する前段階として, 女子短期大学学生の生活実態を捉えるため, 質問紙による調査を実施した.
女子短大生の社会, 経済的環境は比較的恵まれたものである.
短大入学の目的は, 親子ともに, 教養を深めるためとするものが多く, 特に家政科の方は, 結婚準備のためと思われる面が多い.
学生生活における不安や悩みは, 将来のこと, 自らの性格のこと, 学業に関すること等が多く, 相談相手には, 両親が多く選ばれている.
親友は, 中・高校時代から続いているものが多く, 親しくなった理由も, ただ漠然と中・高校時代に同じクラスだったからとするものが多い. 親友との話題は学生生活の悩みとおよそ一致している.
短大生は時間的に忙しく, サークル活動等もあまり活発ではなく, 短大生活における人格的ふれあいというものはその機会が少いように思われる.
卒業後の進路に関しては, 英文科の方が, 専問的職業, 学問的研究に結びつけて考えるものが多く, 両親の希望ともほぼ一致している.
女性の職業に対する態度も, 英文科の方が, 肯定的, 積極的態度をとるものが多く, 専攻学科選択共に, 両親の影響をかなり強く受けているということが出来る.

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