1968 年 7 巻 2 号 p. 159-167
本研究は, パフォーマンスとレミニッセンスにおよぼす, タスク・モチベーションの効果について検討せんとするものである。モチベーションの要因としては, PM式監督行動類型 (PM型, P型, M型そしてpm型) を導入した。被験者は達成動機においてコントロールされた。
課題は, 逆アルファベット文字の模写である。休止時間は10分で, 休止前30試行, 休止後5試行 (1試行30秒) の連続作業である。被験者は女子高校1年生, 実験者 (監督者) は熊本大学学生。
結果は次の通りである。
休止前試行におけるパフォーマンスでは, P型が最高で, 次いでM型, PM型そして最低はpm型であった。
レミニッセンスは, PM型においてのみみられた。
休止後試行におけるパフォーマンスは, PM型とP型のもとで最高を示し, 次いではM型そして最低はpm型であった。
最後に, モチベーションとパフォーマンス, またモチベーションとレミニッセンスとの関連について考察するとともに, 脳波的手段によるモチベーション研究の可能性とその意義について若干考察した。