教育・社会心理学研究
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集団機能に関する研究
大学における運動部集団の調査より
蜂屋 良彦
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1968 年 7 巻 2 号 p. 149-157

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抄録

集団機能に関して, つぎの諸点, 1) 集団機能の布置の把握と類型化, 2) 機能間の関係調整が集団生産性に及ぼす効果, 3) 成員の集団所属動機が集団機能の布置に及ぼす影響, 4) 成員の所属動機と各種リーダーへの社会情緒的支持との関係, を明らかにするため大学の運動部集団を対象とした調査が行なわれた。
結果を要約すると, 1) 集団機能の布置に関しては集団差がかなり認められ, 分離型リーダーシップの集団と統合型リーダーシップの集団とその他とに分類された。2) 集団生産性の測定が試みられたが不成功に終り, この点の検討はできなかった。3) 統合型集団では成員は対人志向動機よりも課題志向動機が強いが, 分離型集団では両動機に有意差は認められない。4) 対人志向成員は情緒的次元で他のリーダーに対してよりも集団維持的リーダーと結合しやすい。

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© 日本グループ・ダイナミックス学会
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