1969 年 8 巻 2 号 p. 249-267
interacting groupにおけるリーダーシップ効果性理論として提出されたFiedlerのcontingency modelがcoacting groupにも妥当性をもつか否かを検討するために実験室的実験を行なった。被験者は男子中学生200名。1集団5名。作業はいわゆる平行作業形式。リーダーと成員の関係, 課題, リーダーの勢力の3個の要因を操作することにより, 相異なる8個の集団状況を作り出した。本実験の主要な結果をまとめると以下のとおり。
1) contingency modelはcoacting groupにおいてもほぼ妥当する。しかし, その細部においてはinteracting groupの場合と相違する。
2) LPC得点は達成動機親和動機のいずれとも有意な相関を示さない。
3) LPC得点の低いリーダーは, 集団成員を統制することが困難となるにつれ, 課題遂行 (P) 的行動をより多く示し, 集団維持 (M) 的行動をより少なく示す傾向がある。