日本食品化学学会誌
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論文
酵素水解によるエリオシトリンからエリオジクチオール-7-O-β-グルコシドの効率的変換
山本 涼平武藤 徳男
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2015 年 22 巻 1 号 p. 38-44

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抄録

フラボノイドから分子修飾された二次配糖体は機能性食品の製造において有望な素材になっている。本研究では、レモンに含まれる主要なフラボノイドであるエリオシトリンからそのモノグルコシドであるエリオジクチオール-7-O-β-グルコシド(エリオジクチオール-7-グルコシド)を効率的に生産するため、酸水解と酵素水解について検討した。目的とするエリオジクチオール-7-グルコシドは強いα-グルコシダーゼ阻害活性を有する有望な機能性成分である。酸水解によるエリオシトリンからモノグルコシドへの変換は検討した条件の下では最高収率が25%であった。一方、ヘスペリジナーゼやナリンギナーゼを用いた酵素水解では、一定の処理条件下でエリオシトリンからモノグルコシドへの変換はそれぞれ約80%、70%に達した。ヘスペリジナーゼやナリンギナーゼはともに処理条件を制御することで、エリオシトリンから効率的にエリオジクチオール-7-グルコシドを生産できることを明らかにした。この方法は、機能性成分としてのエリオジクチオール-7-O-β-グルコシドの生産に適用可能である。

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© 2015 日本食品化学学会
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