日本食品化学学会誌
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論文
HILIC-LC/MSを用いたカラメルIII中の2-アセチル-4-テトラヒドロキシブチルイミダゾールの直接定量分析法の開発
河﨑 裕美秋山 卓美多田 敦子関口 若菜西崎 雄三伊藤 裕才杉本 直樹穐山 浩
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2015 年 22 巻 2 号 p. 115-122

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抄録

親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)カラムを用いたLC/MS (HILIC-LC/MS)によるカラメルIII中の不純物2-アセチル-4-テトラヒドロキシブチルイミダゾール(THI)の直接定量分析法を開発した。本研究では、予め定量NMRにより絶対純度を求めた2-アセチル-4-テトラヒドロキシブチルイミダゾールを定量用標準品とし、絶対検量線法及び標準添加法によりカラメルIII中のより信頼性の高い正確なTHI含量を求めた。現在、JECFAでは、カラメルIII中のTHIの定量分析法として、2,4-ジニトロフェニルヒドラジンにより誘導体化したTHIを粒子径10μmのC8カラムを用いてHPLC/UVで分析する方法が設定されている。JECFA及び我々が開発したHILIC-LC/MSにより、同試料について求めた定量値を比較した結果、JECFAによる定量値は夾雑物との分離が不十分なため、HILIC-LC/MSによる定量値より低い値を示した。この結果は、JECFAの規定する分析条件には正確な定量値を得るための改良の余地があることを支持するものである。

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© 2015 日本食品化学学会
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