日本食品化学学会誌
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論文
CapsaicinおよびN-docosahexaenoyl-vanillylamideのtaxol耐性HeLa細胞の増殖に及ぼす影響
金 永福石畑 公江梶山 慎一郎福崎 英一郎小林 昭雄馬場 直道多田 幹郎高畑 京也
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2002 年 9 巻 2 号 p. 50-53

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抄録

本研究ではCAPの脂肪酸部分をDHAに置換した誘導体(dohevanil)を合成し、多剤耐性能を有する耐性HeLa細胞に対する細胞増殖への影響を検討した。その結果、耐性HeLa細胞はtaxol, etoposide及びCAPに対して耐性を示したが、dohevanilに対しては耐性を示さず、更にtaxolとの共存下ではtaxolの非共存下に比べ、著しい細胞死誘導効果が認められた。以上の結果より、癌治療において、未だ解決されていない重要な課題である多剤耐性克服へのdohevanilの有用性が示唆された。

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© 2002 日本食品化学学会
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