日本食品化学学会誌
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論文
ラット循環機能に対するプロポリスの4週間反復摂取の影響
窪田 洋子梅垣 敬三田中 直子小林 恭子中村 一基国友 勝篠塚 和正
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2002 年 9 巻 2 号 p. 54-59

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抄録

健康食品として使用されている、3種類のプロポリス(Pro-Ba、Pro-Bb、Pro-C)を被験食品として、Wistarラットの4週間反復摂取の影響について検討した。1.本研究に用いた3種類のプロポリスの4週間反復摂取はラットの血圧と心拍に有意な影響を示さなかった。また、7週齢から11週齢にかけての体重の変動にも影響しなかった。2.3種類のプロポリスの4週間反復摂取は肝臓、脾臓/体重比には影響しなかったが、ブラジル産(Pro-Ba、Pro-Bb)は胸腺/体重比を有意に増加させた。3.3種類のプロポリスの4週間反復摂取はラット摘出心房の拍動数および収縮力に有意な影響を示さず、またイソプロテレノールの陽性変時変力作用およびアセチルコリンによる陰性変時変力作用にも影響しなかった。4.3種類のプロポリスの4週間反復摂取はラット摘出胸部大動脈の張力に影響せず、またノルアドレナリンの収縮作用や、アセチルコリンおよびニトロプルシッドナトリウムによる弛緩作用にも影響しなかった。5.摘出心房において、直接投与(1mg/ml)された3種類のプロポリスは、有意な変力作用を示さなかった。しかし、高濃度のブラジル産プロポリス(Pro-Ba、Pro-Bb)においては陽性変時作用を、中国産プロポリス(Pro-C)では陰性変時作用を示した。6.摘出胸部大動脈において、直接投与(0.1-3 mg/ml)された3種類のプロポリスは弛緩作用を示し、特に中国産プロポリス(Pro-C)で著明であった。

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© 2002 日本食品化学学会
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