森林利用学会誌
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論文
ヒバ天然林択伐作業による残存木損傷
澤口 勇雄宇野 博子猪内 正雄立川 史郎
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キーワード: ヒバ, 択伐, 損傷, GIS
ジャーナル オープンアクセス

2001 年 16 巻 2 号 p. 83-92

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抄録

ヒバ天然林択伐作業による残存木損傷について解析した。解析にはGISが用いられた。トラクタ全幹集材システムでの作業の結果,残存木損傷は本数率で22.5%に達し,そのほぼ半数は生育見込みのない損傷であった。しかし生育見込みなしとされた材積は,全材積の2.6%にすぎなかった。損傷は,残存ヒバの大小に関係なく発生した。損傷種類は倒伏,幹折,樹幹辺材部露出の順で,この3種類で89.7%を占めた。損傷の主要原因は伐倒,集材であった。路網,伐根,伐倒木樹幹各バッファ距離と損傷本数率の関係は負の相関関係が認められ,バッファ距離が大きくなるにつれて損傷本数率は減少した。これらの結果から,伐出による損傷危険度マップを作成した。

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