森林利用学会誌
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論文
機械地拵えが苗木の活着に及ぼす影響
山田 健遠藤 利明佐々木 達也
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ジャーナル オープンアクセス

2004 年 19 巻 3 号 p. 197-203

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抄録

植付け作業機械化の一環として,植付け前に地拵えを行う作業機の開発を試みているが,その前段階として本研究では各種地拵え方法の特性を調べた。皆伐跡地に設定した試験地において,車両系機械を用いてパッチ状にマウンディング,耕転を行い,マウンド,ピット,耕耘区および無処理区の4種類の処理面について土壌密度,含水率の推移,植栽したヒノキコンテナ苗の活着率,1年後の処理面内における植生の被度を調査した。土壌密度が低い順に耕耘区<無処理区≒マウンド<ピット,土壌水分が高い順にピット>無処理区>耕耘区>マウンド,植栽木の活着率が高い順にピット>耕耘区≒無処理区>マウンド,植生被度の小さい順に耕耘区<ピット≒マウンド≒無処理区となった。土壌密度,植生回復の抑制については耕耘区が最も更新に適していると考えられたが,試験地が乾燥立地であったため土壌水分が主要な淘汰要因となり,ピットにおいて最も植栽木の活着率が高かった。

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© 2004 森林利用学会
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