林業用ベースマシンとして全方向移動形急傾斜不整地走行車両の開発を実施した。開発した車両(TTM)は,地上高をコントロールできる3組のクローラ足回りを持ち,常に適切な接地荷重を保つことができる。またそれぞれの足回りは独立に信地旋回できる構造であり,車体全体は静止した状態で進行方向を変えることが可能となっている。この旋回と斜登坂を繰返すことで,TTMは通常直登のできない急斜面(35°芝斜面,28°泥濘集材路)でも登坂が可能であった。また斜面における車体の安定性に関しては,足回り高さを適切にコントロールすれば十分な安定範囲を持つことが明らかになった。