森林利用学会誌
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論文
木材受け渡し機構を持つ集材用搬器開発に関する研究(<特集>新たな機械化)
田坂 聡明有賀 一広西川 明山崎 敏彦
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 23 巻 3 号 p. 149-156

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抄録

本研究では,積荷の受け渡し機構を持つ新型搬器を開発し,エンドレスラインを駆動力とする受け渡し動作と,荷上げ・荷下ろしなどの基本動作の確認を行った。この結果,無負荷時,負荷時ともに,材の受け渡し動作,荷上げ・荷下ろしが順調に進み,受け渡し搬器の基本的な構造,作動原理が確認できた。また,搬器が作動可能な主索中央垂下比範囲を測定した結果,中央垂下比0.08でも質量150kgの材の受け渡しが可能であることが確認できた。さらに,受け渡し動作の障害となる搬器横方向の傾斜角について,理論式の作成と測定結果との比較を行った。この結果,理論値は実測値とほぼ一致し,搬器の改善に活用するうえで有用であることが明らかにされた。その他,実験の過程で,エンドレス索ガイド機構の追加による搬器横揺れ低減や,搬器色の塗り分けによる視認性の向上など,さまざまな改善に関す,る知見を得ることができた。

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© 2008 森林利用学会
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