低炭素型森林収穫システムを構築するために,マチュース理論を適用し,大型フォワーダによる車両系短幹作業システム対応した森林収穫システムのあり方を合理的路網規格配置から検討した。CO_2排出関数は,路網作設,木寄集材,集搬,運材の合成関数とした。森林収穫システムとして,利用区域森林面積が大きくなるにつれて作業路型,作業道型,林道型が選択された。移行選択が行われる面積は,作業路型から作業道型100〜150ha,作業道型から林道型が2,500〜5,000haとされた。この面積は,経済合理性から考えられた選択面積よりも相当広い。低炭素型森林収穫システムには低規格路網が選好され,CO_2基準による路網規格と利用区域面積基準の関係が示された。50haでの作業路型におけるCO_2排出量は林道型の20%に過ぎないことから,林道作設における一層の削減努力が求められた。