森林利用学会誌
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論文
「緑の雇用」研修生からみる研修の評価
—フォレストワーカー対象アンケート調査結果をもとに—
川﨑 章惠
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2017 年 32 巻 1 号 p. 5-

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抄録

1980 年代以降の林業従事者の著しい減少と高齢化に対応して,2003年から開始された新規就業者の確保と育成を目的にした研修事業である「緑の雇用」事業は13年目を迎えた。本稿は,「緑の雇用」事業のフォレストワーカー研修生を対象に2013年度に実施したアンケート調査の再集計をもとに,研修生の属性や研修環境と「緑の雇用」事業集合研修とOJT研修の評価との関連を分析した。アンケート調査は全国森林組合連合会によって実施され,集合研修後に研修生に2,505通を配布,回収数は1,839である。その結果,1)集合研修については伐採・搬出に関わる技術の研修に対して評価や要望が高いこと,2)OJT研修についてはおおむね良い評価が得られていること,3)研修の評価と,研修生の年齢,前職・学歴,地元・UIターン別などの属性との関連性は見いだせず,研修の設計や研修体制を通じていかに研修生の学びへの動機づけをできるかが重要であることが明らかになった。

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© 2017 森林利用学会
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