森林利用学会誌
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速報
作業日報の記録様式および利用方法に関する現状分析
藤野 正也栗山 浩一
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2019 年 34 巻 1 号 論文ID: 34.17

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抄録

多くの林業事業体が現場の進捗管理や労働生産性を向上させるため,その日の作業内容や作業量を記入する「作業日報」を導入している。これらに基づいて算出された素材生産性等の数値は,現場作業や行政において重要な指標として扱われている。本研究は作業日報の記録内容や利用方法について現状を把握し,作業日報を効果的に利用するための方向性を検討するため,31 都道府県574 林業事業体に対してアンケート調査を行い,263 事業体から回答を得た。調査結果から,作業日報の様式も利用方法も多様性に富んでいることが明らかとなった。また,進捗管理および生産性分析の実施が作業日報の集計・分析の有無に影響を及ぼしていると考えられた。さらに,作業日報の様式と利用方法に関連性は見られなかった。このため,このように作業日報の利用目的に応じて作業日報の様式も使い分けることが必要であり,これが実現できれば,各事業体が必要とする情報を過不足なく収集できると考えられる。そうなることで,林業界として様式をある程度,共通化できると考えられる。

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© 2019 森林利用学会
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