森林利用研究会誌
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Print ISSN : 0912-960X
論文
林業用ナックルブームの軌跡制御
毛綱 昌弘
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1995 年 10 巻 3 号 p. 253-261

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抄録

林業機械のマニピュレータとして使用されているナックルブームの操作性向上を目的として,マンマシンインターフェースである操作装置およびマニピュレータ先端部の軌跡制御装置の開発を行った。開発された制御装置では,3次元タイプのジョイスティックを使用しているため,オペレータは一本のジョイスティックを用いて移動方向と速度を入力することにより,マニピュレータの操作を行うことが可能となる。また,多くの林業機械ではテレスコピック機能を有し,自由度が一つ多い4自由度のマニピュレータが使用されているため,3次元座標空間内における軌跡制御を行うためには,追加条件が必要となる。本研究では,この条件として先端部までの距離とテレスコピックの長さを比例配分することにより,常にすべてのアクチュエータが協調動作を行う軌跡制御を試みた。この結果,軌跡制御では目標とする軌跡からのズレを20mm以内に収めながら移動することが可能となり,林業機械のマニピュレータとして十分な精度を得ることができた。また,移動速度を管理する機能を制御装置内に組み込むことによって,流量不足による制御成績の低下の防止,移動速度の高速化が図れた。

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© 1995 森林利用学会
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