森林利用研究会誌
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論文
動力回生形インターロック付小形モービルタワーヤーダの開発
猪内 正雄後藤 純一酒井 秀夫及川 良一郎
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1993 年 8 巻 1 号 p. 17-28

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抄録

傾斜地で,しかも小規模で分散している人工林の伐採に対応できるような集材機械として,動力回生形インターロック機構の小型モービルタワーヤーダを開発試作した。試作機は,エンジン60PS,4輪駆動のミニフォアワーダをベースとして,幅員2m程度の狭い作業路上を移動しながら,スパン150m以下のランニングスカイライン式等の簡易架線方式を使い,材積0.5m^3程度の全木材を林地傾斜35度程度までの斜面を上げ木あるいは下げ木集材が可能なように設計された。メインラインドラムとホールバックラインドラムおよびタイトスカイライン用補助ウィンチを搭載し,タワーは360度旋回可能な揺動形伸縮式で,全高750mm,全重量2,800kgfである。インターロックシステムとしては2対の同径溝付ドラムを電磁クラッチで接続し,集材および空搬器返送時の動力を回生することができる。性能試験の結果,動力回生形のインターロック機能が完全に発揮され,設計どおりの性能が得られることが確かめられた。動力回生効果により,必要動力が少なく,燃料消費量が少なくなる。また間伐材集材試験の結果,従来のミニフォアワーダを使った集材に比較して,著しく生産性が向上することが確かめられた。

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© 1993 森林利用学会
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