日本林学会誌
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利用材積に関する研究 (7)
丸太長と利用材積について
羽田 清五郎
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1962 年 44 巻 5 号 p. 140-143

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抄録

利用材積は,丸太長によって相当大巾に変化するにもかかわらず,従来わが国では,あまり考慮にいれなかった。しかし,木材合理化の必要を迫られている今日では,丸太長を考慮に入れた正しい利用材積問題を取り上げねばならない。
そこで,筆考は丸太長と利用材積について研究し,次の結論を得た。
(1) 丸太長:による利用材積の変化については,丸太長が大なるほど直線的に利用材績は減少する。その利用率では,70%~110%まであり,実用的範囲でも70~89%までの範囲を示した。
(2) 直接利用材積推定に当っては, Combined variable 式, SCHUMACHER 式の2式を使用した結果,両式とも利用材積に適用しても幹材積推定の精度と大差がなかった。たゼし丸太長が4m以上の利用材積には精度が悪く適用できない。
(3) 丸太長を含めた利聚材積式を
V=a+b(L)+C(D2H)-d(D2HL)
として誘導した。この式の精度は誤差率が7.7%で比較的良い推定式であることがわかった。

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