日本林学会誌
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メアサ,キリシマメアサおよびアオスギのミドリスギ劣性遺伝子
大庭 喜八郎
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1972 年 54 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

千葉1)および福原2)はスギの園芸品種,ミドリスギの冬期間の緑色は1個の劣性遺伝子によることを報告した。放射線育種場の採穂園からのさし穂により育苗したスギの3品種,メアサ,キリシマメアサおよびアオスギを自殖し,または,ミドリスギの劣性遺伝子をホモ型でもっ2個体(ミドリスギ(5)およびGR)と交配した。自殖の結果,苗の冬期聞の色彩についての分離は,アカ:ミドリが, 3:1であり,また,他殖の結果,アカ:ミドリの割合は, 1:1であることが証明された。このため,これらの品種の中には同一のミドリスギの劣性遺伝子をヘテロでもつ個体が存在するものと思われる。

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