日本林学会誌
Online ISSN : 2185-8195
Print ISSN : 0021-485X
山崩れ,崖崩れによる災害の傾向について
大村 寛
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1973 年 55 巻 5 号 p. 166-172

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抄録

新聞の切り抜きを整理して,降雨後,山崩れにより人が死ぬまでのプロセスを調べた。その結果,次のことがわかった。
1. 被害の大半は,連続雨量が300mmに達するまでに,標高100m未満の人口密度の低い所で発生している。
2. 被害をもたらした山崩れの大きさは500m2(長さ25m×幅20m) 前後であり,崩れた土量が家屋の全壊率や,死亡率に影響を及ぼす。
3. 救出に要する時間はできるだけ短い方がよい。現状では,救出作業は機械化が必要。
4. 災害は夜に発生しやすく,未成年者の死亡率は高い,負傷は頭部と足に多い。
5. 前もって危険を予知し,避難することが望ましい。

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