日本林学会誌
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カラマツ類の高芽接ぎによる世代短縮と着花促進 (II)
台・穂各クロ一ンの着花性と高芽接ぎラメットの着花
濱谷 稔夫佐々木 忠兵衛倉橋 昭夫
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1989 年 71 巻 7 号 p. 265-270

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抄録

カラマツ類の台木と供穂個体それぞれの着花性が高芽接ぎラメットの着花に与える影響を検定する目的で,着花性のわかっている個体を組合せて作ったカラマツ+カラマツ+グイマツを台木としこれにグイマツ2年生苗を芽接ぎする3段高芽接ぎ実験と若干の関連実験を行った。各クローンの養花性を高・低ニつのクラスに分け,その組合せを穂/台の記号で示すと,着花の良い方から高/高>高/低>低/高>低小低の順になった。つまり,芽接ぎラメットの着花は。まず供穂クローンの着花性によって,次いである程度台木クローンの着花性によって左右される。そして,着花性の高い成木を台木にすると,供穂個体の芽接ぎ鋳の樹齢に関係なく,芽接ぎラメット上の雌球花着花開始はほとんど同じになる。一方,着花性が低いか幼齢の台木に芽接ぎしてその成熟を待つ場合では,概して成熟した供穂個体および着花性の高い供穂個体の芽接ぎラメットの方が早く着花する。

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