岩手山麓に所在するスギ高齢林の134年から153年までの林分構造の変化と林分材積純成長量,これらへの間伐効果について調べた。林分材積純成長量は3.9~11.9 m3•ha-1/yr-1であり,間伐区と対照区で大きな差はみられなかった。下層間伐により胸高直径分布の歪度は増加,変動係数は若干減少した。一方,対照区では胸高直径分布の歪度,変動係数ともほぼ一定の値で推移した。胸高直径50cm以上の本数密度は間伐区の方が若干高くなった。大径木の増加という観点から高齢級における間伐は有効であると考えられる。