茨城県と京都府, 熊本県の若いスギ林に強度を変えた間伐試験区を設け, 間伐後最初の夏に分化した雄花の落下量をトラップ法で測定した。熊本では雄花が殆ど生産されなかったが, 茨城と京都では土地面積当りの雄花生産量が無処理や通常間伐区で少なく, 強度や超強度間伐区で多かった。強度や超強度間伐区では雄花着生個体数の比が高く, 雄花着生個体当り雄花生産量が多かった。また, 林分雄花生産量はRyがある値 (茨城では0.6未満, 京都では0.4未満) のときに最大値をもつと推定される。これらのことから閉鎖林に行われる通常強度の間伐には, 間伐で雄花が直接除去されることを除いては, 雄花生産抑制の効果は認められないと考えられる。