2013 年 25 巻 3 号 p. 254-261
われわれは,common disease rare variant(CDRV)仮説に則り,まれではあるが効果の大きい遺伝子変異が発症に深く関与すると推察される比較的均一な一群を同定することで,統合失調症の異種性の問題を克服し,そこから一般の統合失調症に敷衍可能な病態仮説の確立を試みた。その結果,カルボニルストレスという代謝異常が一部の統合失調症の病態に関与する可能性を明らかにした。 また検体数を拡大して検証を行った結果,カルボニルストレスを呈する統合失調症が一定の割合で存在することを再確認した。さらに,カルボニルストレスを呈する統合失調症の臨床特徴は,Kaneらが定義する治療抵抗性統合失調症に類似していることも明らかにした。本稿では,カルボニルストレスを消去するピリドキサミン(ビタミンB6)がクロザピンと並んで治療抵抗性統合失調症の治療薬となる可能性について述べた。