2013 年 25 巻 3 号 p. 248-253
総合病院精神科では,軽症や中等症のうつ病の診察を行う機会が多い。National Institute for Health and Clinical Excellence(NICE)やTexas Medication Algorithm Project(TMAP)といった治療ガイドラインでは,うつ病の軽症例に対する第一選択として抗うつ薬を推奨しておらず,うつ病に対する薬物療法以外の選択肢も求められていると考えられる。オメガ3系脂肪酸は,生活習慣に基づいたアプローチのなかでは最も研究が進んでいる介入法の一つである。本稿では,うつ病治療におけるオメガ3系脂肪酸の有効性とメカニズムに関するエビデンスをまとめた。また合わせて,筆者らが行ったオメガ3系脂肪酸によるPTSD予防を目指したランダム化比較試験を紹介した。