総合病院精神医学
Online ISSN : 2186-4810
Print ISSN : 0915-5872
ISSN-L : 0915-5872
原著
てんかんの診断・治療はどのように行われるのか
西田 拓司
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 26 巻 1 号 p. 2-10

詳細
抄録

てんかん発作は大脳の神経細胞の過剰あるいは同期性発射を病態生理とする。てんかんはてんかん発作を繰り返す慢性の疾患ないし症候群である。てんかんの診断では,てんかんか否か,てんかん発作型とてんかん症候群,そして合併症の診断が行われる。てんかんに共通する病態生理が神経細胞の電気的発射であることから,脳波検査は必須である。また,発作症状の詳細な問診が重要である。ビデオ脳波同時記録は,てんかん発作時の臨床症状と脳波所見を同期して得られる強力な診断ツールである。てんかん治療の基本は薬物治療である。てんかん発作型,てんかん症候群を考慮した薬剤選択が行われる。てんかんには身体・精神的合併症,心理社会的問題が伴うことが多く,てんかんのある人のQOLや日常・社会生活に大きな影響を及ぼす。てんかん治療では,これらの問題に対応する包括医療が行われるべきである。

著者関連情報
© 2014 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
次の記事
feedback
Top