総合病院精神医学
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原著
緊張病症候群のためにdiazepam坐剤を使用した22例の臨床的特徴
幾瀬 大介青木 麻梨富岡 大杉沢 諭笹森 大貴菊池 優吉益 晴夫工藤 行夫岩波 明
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2014 年 26 巻 3 号 p. 260-269

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抄録

緊張病症候群は,無動や衝動性といった多彩な症状を認め,危険行動やバイタルサインの異常に陥り早急な対処を必要とする。今回,緊張病症候群の治療において,第一選択としてdiazepam坐剤(DZP坐剤)を用いた緊張病症候群の症例を後方視的に調査し,DZP坐剤の有効性について検討した。対象は緊張病症候群の症状を認めた入院患者22例で,原疾患は,双極性障害8例,統合失調症7例,大うつ病性障害4例,急性一過性精神病性障害1例,強迫性障害1例,レヴィー小体病1例であった。症状の評価はBush-Francis Catatonia Rating Scale(BFCRS)を用いた。投与の前後で18.5±9.39点から4.80±4.69点まで有意な減少を示し,緊張病症候群の初期治療に有用と思われた。疾患別によるDZP坐剤の比較では改善効果に有意な見解は得られず,さらなる検討・調査が必要であると思われた。

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© 2014 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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