2015 年 27 巻 3 号 p. 198-205
女性の人生において,妊娠は大きなライフイベントの一つであり,母親となることは,心理的にも,社会的にも,生物学的にも変化をもたらす。精神障害を有する少なからざる女性にとって,この変化は精神症状の再燃や悪化をきたし得る。そのため,精神障害のある妊産婦に対しては,きめ細かく十分な周産期管理の方法が必要となる。この論文では,われわれが行った精神障害合併妊産婦に対する多職種連携による介入の効果の前方視的検討を紹介し,内外の関連文献を展望した。われわれの介入は4 つのプロセス:①心理教育,②妊娠期,授乳期にける薬物治療のリスク−ベネフィットの検討,方針決定のサポート,③ソーシャルサポートのマネージメント,④養育スキルトレーニングで構成され,介入の効果は,HADS,SDS,GAFS,BPRS を用いて評価した。