総合病院精神医学
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経験
パーキンソン病に対するECT
臼井 千恵八田 耕太郎土井 永史
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2016 年 28 巻 2 号 p. 121-124

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抄録

電気けいれん療法(electroconvulsive therapy,以下ECT)が薬剤抵抗性のうつ病,統合失調症,緊張病症候群に有効であることはいうまでもない。それ以外に,精神疾患に限らず周辺領域においても,現時点の薬物療法が十分に期待できない病態は少なくない。したがって,患者の苦痛を軽減しようとさまざまな病態にさまざまな治療法が試みられてきた。精神病症状を伴うパーキンソン病もそのような病態である。われわれは,精神病症状を伴うパーキンソン病に対するECTの効果について,局所脳血流の変化を観察しながら検討しているので紹介する。ECT前後で,パーキンソン病の運動症状の重症度指標であるHoehn and Yahrおよび陽性症状評価尺度が有意に減少した。脳血流シンチグラフィーにおいて,ECT前後で中前頭回の有意な血流増加が認められた。つまりECTは,パーキンソン病の運動症状および精神病症状の両方の重症度を有意に改善させることが示された。

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© 2016 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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