総合病院精神医学
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総説
コンサルタントとしての精神科医の役割
上村 恵一
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2016 年 28 巻 4 号 p. 318-323

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抄録

総合病院における精神科医の重要な役割はコンサルテーション・リエゾンサービスの提供である。そもそも,コンサルテーションとは,異なる専門性をもつ複数の者が,援助対象である問題状況について検討し,よりよい援助の在り方について話し合うプロセスを指す。つまり,精神科におけるコンサルテーション・リエゾンサービスは異なる専門性をもつ主治医チームと精神科リエゾンチームが,援助対象である患者やその家族の問題状況について検討し,よりよい援助の在り方について話し合うプロセスと定義される。

お互いの専門性を知るということは,相互の信頼関係作りにきわめて重要である。クライアントである患者,コンサルタントである精神科医自身を理解しようとすることが重要である。さらに行ったコンサルテーションの評価を行い,疾患に着目するのではなく,Bio-Psycho-Social な評価を行い,適切な職種介入を行うことが,効果的・効率的なコンサルテーションにつながる。

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© 2016 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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