2022 年 34 巻 1 号 p. 11-16
東京医科歯科大学病院は,COVID-19パンデミックについて,いち早く患者の受け入れを開始し,それに伴い,医療従事者へのメンタルヘルスに関する取り組みも早期より行ってきた。実際の活動は,精神科,緩和ケア科,看護部,保健管理センターでメンタルヘルスケアチーム(MHCチーム)を結成し,それぞれが役割分担を行い実施した。主な活動は,当院の全職員に対し,COVID-19の精神面に与える影響について作成した動画の視聴,精神状態のスクリーニングとともに面接を行い,これらを通じて得られた問題点について,個別に対応するとともに,病院司令本部に伝え,病院全体での情報共有の促進を行った。今回の取り組みは,問題点の抽出および伝達にとどまらず,院内のコミュニケーションの活発化や,職種ごとの専門性発揮によるモチベーションの向上といった様々な良い変化ももたらすこととなった。同時に,長期化に伴う課題も顕在化しており,今後も活動を継続していく予定である。