目的:がんの再発や病状悪化に関する不安・心配に対処するための行動である対処努力を測定する尺度(ERBA-C)を開発することを目的とした。方法:がんサバイバー94名を対象にアンケート調査を実施した。結果と考察:ERBA-Cは10項目,3因子構造であることが示された。内的整合性の値は十分であり,妥当性の仮説も概ね支持された。ERBA-Cの特徴を検討するため,各ERBA-Cの下位尺度得点について,平均点以上・以下に群分けをし,心理適応との関連を検討した。その結果,「病状の変化を確認する」に関して,高群において対処努力と不安に正の相関が認められた。また,「心身によい活動をする」の高群において,対処努力はうつとの負の相関が認められた。対処努力の内容および頻度によって,心理適応との関連が異なることが示された。結論:ERBA-Cにより対処努力を測定できることで,がんサバイバー適応的および不適応的な対処努力を正確にとらえることができる。