2024 年 36 巻 2 号 p. 103-105
総合病院精神科において,研究を推進することには多くの困難が存在する。診療科横断的研究の困難性もその一つである。筆者は電気けいれん療法の研究を通して,麻酔科との協力において,いくつかの学びを得た。このようにして得た経験から,診療科横断的研究の困難性は相互理解の乏しさ,興味の不一致,リスク・ベネフィットの相違,リズムやスピード感の相違などに集約されることが考えられた。これらを解消するためには,時間をかけた丁寧な交流に基づくすり合わせ作業が重要と思われる。