日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
Nonsteroidal antiinflammatory drugs投与によると考えられた大腸穿孔・穿通の2例
中野 雅人飯合 恒夫寺島 哲郎川原 聖佳子岩谷 昭丸山 聡谷 達夫長谷川 剛味岡 洋一畠山 勝義
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2009 年 42 巻 4 号 p. 404-410

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抄録

 近年,非ステロイド性抗炎症薬(Nonsteroidal antiinflammatory drugs;以下,NSAIDs)により,下部消化管病変を発生しうることが明らかになってきた.今回,我々はNSAIDs投与によると考えられた大腸穿孔・穿通を2例経験したので報告する.症例1は75歳の女性で,lornoxicamにより横行結腸,下行結腸に穿通を来し,左半結腸切除術を施行した.症例2は72歳の女性で,sulpyrineにより終末回腸,横行結腸に穿孔を来し,S状結腸にも多発潰瘍を認めたため,回盲部,横行結腸,S状結腸の部分切除術を施行した.2例ともNSAIDs開始後1週間前後で穿孔・穿通を来しており,また穿孔・穿通部以外にも多発潰瘍を認めた.NSAIDsによる下部消化管穿孔・穿通例では,病変部が広く,非連続性で,複数ある可能性があるため,術中内視鏡の使用も含め,切除範囲の決定を慎重に行う必要があると考えられた.

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